涙色
その後、たくさん話した。
いや、話したというよりも、話を聞いた。
みんなが話しているのを、聞いていた。
その話は面白くて。
とても楽しいところなんだと思った。
・・・いいな。
そういう生活をしてみたかった。
楽しい生活。
それは憧れで。
私の理想で。
そして、絶対に叶わないもの。
私も楽しく過ごせたのかな。
私があんなことをしなければ。
あんなことがおきなければ。
今でも楽しく過ごせたのかな。
そんなこと今更どれだけ考えたって、もう遅いのに。
それでも考えてしまう私は、やっぱり弱いんだ。
全部全部私のせいで。
私が全部悪いのに。
私が。
私さえいなければ。
「・・・う、夢羽?」
「っあ、え、・・・なに?」
私が考えてる時に呼ばれたからびっくりした。
「いや、どうしたの?大丈夫?」
「・・・?大丈夫、だよ?」
なにか心配するようなことあった?
「・・・そっか。なんかぼーっとしてたから。」
ああ。
そういうことね。
「ん、考え事してた。」
「そっか・・・。なんかあったら言ってね?」
「うん」
・・・なんかあったら、か。
私が頼っていいの?
迷惑になっちゃうよ。
「・・・夢羽、姫にならない?」
「え・・・」
姫、か・・・。
でも裏切られるかな?
「夢羽ちゃん、どう?」
「仲間になってやってもいいけど?」
「仲間になろーぜ。まあ、顔はち「雅人」・・・なんでもねえよ」