涙色


ガラッ


突然響いた音に、ビクリと肩を震わせる。


反射的にドアをみた。


「飛鳥・・・?」


そこにいたのは飛鳥だった。


どうして飛鳥がいるの?


「やっと見つけた。夢羽っていつもこんな所にいんの?」


「え・・・うん。」


やっと見つけたって、ずっと探してたの?


なんで?


てゆうか、なんでここにいるんだよ。


なんで制服着てんの?


え、意味わかんないんだけど。


確か翠嵐って、隣の高校じゃなかった?


ここは桜嵐がいるから、わざわざ分かれてるんじゃなかったっけ?


「・・・なんでここにいんの?」


「そりゃあここの生徒だからだろ。」


「・・・・・・そうだけどさ」


そうだよね。


うん。


わかってるよそれぐらい。


制服着てんじゃん。


そのことじゃなくてさ。


理解してほしかったな。


「なんでこっちの学校の生徒なの?」


「・・・俺の家から近かったから。」


「そっか。・・・私のこと探してたの?」


「・・・まあ。春輝に頼まれたし。一応姫だから守ってやんねーとな。」


「・・・ありがと。」


「ふっお前でも礼ぐらい言えんだな」


「なにそれ!?私だってお礼ぐらい言えます〜」


なんなの!?


私をなんだと思ってるのよ!


お礼ぐらい言えるわよ!


「・・・そういえば、お前ピアノ弾けんの?」


「うん、弾ける〜」


「ふーん」


・・・終わり!?


え、興味ないのに聞いた感じ!?


興味ないなら聞くなよ!


なんなのコイツ。


意味わかんねぇ。



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