涙色
「おっ!わかってんじゃん、雅人!俺、これー!」
やっぱり透理はバカだ。
うん、馬鹿でしかないね。
「ひっでぇ、夢羽!やっぱりってなんだよ!?馬鹿でしかないってなんなんだよ!?」
「・・・は?何言ってんの透理。」
急に叫び出してなに?
つか、私が思ってたことをなんで知ってんの?
「夢羽だってバカだろ!!」
「はぁ?透理ほどバカじゃないし!」
「いーや!絶対お前の方がバカだね」
「透理の方がバカだしー」
「そんなことねーよ、バカ夢羽!」
「なんだと!?「二人とも黙ろうか」・・・はい。」
「・・・おぉ。」
よ、佳正怖い・・・!!
なんなの!?
めっちゃ黒かったよ!?
「夢羽ちゃん?誰が黒かったって?」
えぇ!?
なんで!?
待って待って待って!!!
みんな心読まないでよぉ!
「夢羽、誰も心読んでないよ」
春輝までぇ!?
「お前、全部声に出してるからな!」
そう言いながらギャハハハと下品に笑う飛鳥。
「〜〜〜っ!私これ!!!」
ばっとお弁当を取った。
「あっ!?それ俺が狙ってたんだよ!!」
「知らねぇよ、バカ飛鳥!」
「誰がバカだって!?」
「静かにしようね?飛鳥、夢羽ちゃん」
「ひっごごごごめんなさいぃぃぃ!」
「ぶはっお前、噛みすぎ!」
なっ!!
飛鳥のせいじゃん!!
もういいし!
「あっ!?お前、だからそれ俺がっ!」
飛鳥が私のお弁当を取ろうとしたのを交わして蓋を開けた。
「だっ、おま、待てよっ!」
「やーだねー」
私はベーっと舌を出して、ご飯を箸で掴んだ。
そして、ぱくっと口に入れた。
「あぁ!てんめぇ!!ずりーぞ!」
無視だ無視。
飛鳥なんてしーらなーい。
「おい!無視してんじゃねぇよ!!」
「飛鳥、うるさい。何度言えばわかるの?」
ニコォと笑った佳正はブラックオーラを纏っていた。
それを見て、飛鳥も諦めて他のお弁当を取った。
ふふん!
ざまぁみやがれ!!
私は優越感に浸りながらご飯をほおばった。