涙色
海
ピピピピッ
鳴り響いたそれを私はガシャンと止めた。
「起きなきゃ・・・」
だって今日は・・・。
今日は海に行くって言ってたし・・・。
・・・そうだよ海!!!
私はばっと飛び起きた。
海っ!
準備しなきゃ!
着替えやすいほうがいいよね。
少し悩んだ結果、白をベースとしたレースのついたワンピースにした。
腰まである黒い髪の毛は、ヘルメットをかぶることを考えて、低めのポニーテールにした。
海についたらお団子にしばればいいよね。
昨日の夜に準備したプールバッグをもう1度チェックする。
・・・よし。
海で崩れても平気なぐらいのナチュラルメイクを施した。
その後、窓の鍵が締まっていることやガスが止まっていることを確認した。
〜♪〜♪〜
突然鳴り響いたそれは、私のスマホの着信音で。
「もしもーし」
「あ、夢羽?着いたよ〜」
「わかった・・・!今から行くねっ」
「うん」
その声を聞いて、私は電話を切った。
サンダルを履いて、外へ出る。
しっかりと鍵を閉めて、エレベーターに乗り込んだ。
外へ出ると、春輝達がいた。
「春輝っ」
そう言って私は春輝の元まで走った。
「おはよ、夢羽」
「春輝おはよっ」
「はい」
「ありがと」
私はヘルメットを受け取って、春輝のバイクに乗った。
「じゃあ行こっか」
そう言って動き出したバイク。
ついた先は倉庫。
「あ、夢羽ちゃんおはよ〜」
「おー」
「やっと来たのかよ」
「夢羽、今日は楽しみだなっ!」
「おはよっ!そうだね!」
倉庫の前には既にみんながいた。
もちろん下っ端達も。
「春輝、もう行けるよ」
佳正が倉庫のシャッターに鍵をかけてそう言った。
「わかった〜。みんな行こー」
うわ、出たよ。
春輝のなよなよ総長。
「えっと、3人ずつね。警察には捕まんないで。あと、今日は喧嘩しないで。相手が喧嘩売ってきてもなにもしちゃダメだよ。・・・まあ、正当防衛ならいいけど。」
正当防衛許したら結局喧嘩にならない?
ま、なんとかなるよね。
「じゃあしゅっぱーつ」
え、ホントに総長?
心配になってきた。
そんなことを思っていたら、バイクが動き出した。
私たちと一緒に行くのは、飛鳥と雅人。
心地よいバイクの風を受けながら海へと向かった。