涙色
バイクの心地よい風に受けながら走り始めて、どれくらいだったんだろう?
時計とか見れないからわかんない。
けど、2時間くらい経ったのかな?
そんなことを考える。
警察に会うことも、ほかの暴走族に会うこともなく、走っていた。
「わあっ!海だっ!!!」
突然見えた、真っ青な海に私は思わず叫んだ。
これが、海なんだ。
そんなふうに思う。
「夢羽、海綺麗だね。」
「うんっ!」
自然と笑みがこぼれる。
だんだんと海に近づいていく。
楽しみで、楽しみで。
早く付け〜なんて、心の中で念を送ってみたり。
もはや海が近づいてこいって思ってみたり。
初めて見る海にとてもワクワクしていた。