涙色
「夢羽、楽しかった?」
「うん!」
初めての海。
すごく楽しかった。
でも、もっと遊びたかった。
「夢羽?」
「っなに?」
「なんか、ぼーっとしてたから。」
「ううん。なんでもないよ。・・・でも、もっと遊びたかったなって思って。」
私は海に視線を向けた。
夕日で照らされた海は、青いはずなのに、赤く輝いて見えた。
「俺ももっと遊びたかったな。・・・帰ろっか。」
「うん」
まさか春輝も同じように思ってるとは思わなかった。
楽しかった海はどんどん遠くなって。
最後には見えなくなって。
もう来れないのかな。
そんなことを思った。