涙色


「夢羽、買い物付き合って」


幹部室に落とされたその言葉に、みんなが目を見開いた。


「・・・私?いいけど」


「ありがと」


なんで私なんだろ?


ちょっと嬉しい、かも。


・・・待って、なに。


「嬉しい」って。


それじゃあ、私が春輝のこと好きみたいじゃん。


そんなわけない。


「・・・夢羽?もう行ける?」


「あっうん!大丈夫だよ!」


そう言って立ち上がる。


春輝を好きなんてありえないって。


好きじゃない。


好きになっちゃいけない。


そう自分に言い聞かせながら。

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