涙色


そのあと結局プレゼントは私が選んだ。


春輝が「俺、どれがいいのかわかんないから夢羽が選んで」と言ったから。


それって私からの誕生日プレゼントじゃない?って思いながら選んだ。


プレゼントは淡い水色のパスケース。


春輝のお姉さんはもう社会人で、電車で会社に行っているらしい。


「夢羽ありがと。いいの買えた。」


「そう?良かった。」


「・・・そろそろ帰ろっか。」


まだ帰りたくなくて。


でもそんなこと言えないから私は微笑む。


「そうだね!」


春輝とバイクに乗って帰る。


・・・はずなんだけど、倉庫とは反対方向にバイクが走っていく。


なんで?


バイクはだんだんとスピードを落としていく。


「夢羽、降りて」


言われるままに私はバイクから降りた。


「っきれい!」


私は思わずそう言った。


ついた場所は1つの橋だった。


小さな橋。


そして夕日が綺麗に見える場所。
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