涙色
川の水面が夕日にあたってほんのりオレンジに輝いている。
それにこの橋は・・・。
「覚えてる?俺と夢羽が出会ったところだよ。」
「うん。覚えてるよ。」
春輝と出会った橋。
そして、裕磨とよく来た橋。
思い出の詰まった小さな橋。
「あの時、夢羽は死のうとしてたね。」
「そう、だね。・・・あの時はね、もうどうでも良かったんだ。」
「どうでも良かった?」
「うん。桜嵐に裏切られて。・・・信じてたんだ。信じてたの。」
何も言わずに私の声を聞く春輝。
「中学の時に、大切な人がいなくなっちゃったの。」
私の大切な、大切な裕磨。
まさかいなくなるなんて思わなかったの。
もっと一緒にいたかったよ。
私はぎゅっとペンダントを握りしめた。