涙色


食べ終わって食器を洗う。


ただただぼーっと過ごした1日は、思ったよりも早く過ぎた。


頭の中は裕磨でいっぱいで。


でも今わかるのは、私はもう"裕磨のことを好きじゃない"ということ。


多分罪悪感があるだけなんだ。


これは、"好き"とは違う感情。


けれど、"罪悪感"に支配されて、"好き"だと思い込んでしまった。


今まで思い込んでいた。


全部全部、自分の気持ちがわかったのに。


わかったのに辛いよ。


ごめんなさい。


たくさんの人。


私が人生を狂わせてしまったたくさんの人。


もう私には謝ることしかできないよ。


ごめんなさいお母さん。


ごめんなさいお父さん。


ごめんね裕磨。


やっぱり私がいることがいけないことなのかな。


私が生きているからいけないのかな。


私が死ねば––––––。


そこまで考えてハッとする。


なに馬鹿な事考えてんの。


死んだって変わんないじゃん。


過去は変えられないもの。


––––––じゃあ私はどうすればいいの・・・?
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