体重の無い彼女と僕との関係とは、

私はとっさに前の子の事件を思い出した。同じグループの子達は心配そうな泣きそうな目でちらちらとこちらの様子を伺ってくる。

……でも、断れない。断ったら確実に私の居場所は……

きゅっと唇を結ぶ。

「ねぇ、カナミンて呼んでいー？あ、キャンディーいる？」
ジュリさんが白い腕を絡ませてぷっくりとした桃色の唇をにぃ、と持ち上げる。



「あ、ありがと…………ございます。」

私は両手で受け取った。

赤いパッケージのりんごの袋。
開けるとアイカさんの唇のような艶やかな、つるんとした赤。


あの、噂のキャンディー……。
これを口に入れたら仲間になる事を認める事になる、暗黙のルールのキャンディー。


今の仲間達が見守る中、
震える手で「それ」を口に運んだ。

アイカさんとジュリさんは目を合わせてにぃ、と口角を上げる。

「服従完了」

そう言っているようにも感じた。