体重の無い彼女と僕との関係とは、
受け止める僕とふわりと降ってきた彼女が、あのラピュタのシーンを連想させる。



不思議な事に受け止めた彼女は驚くほどに軽かった。
体重をほぼ、感じなかった。
女の子だから、軽い、っていう事ではない。

でも、少し体重(?)はあるみたいだ。


あるのは、差し出した両手と彼女の体温。


忘れられない不思議な感覚だったり
そして、ゆっくりと目を開けた彼女はこう言ったんだ。



「あんた、誰?」





これが、カナミとの出会いだった。




「この事を他の奴に言ったらブッ◯ロスからね!」
彼女は警戒するように、茶髪のボブの髪を振り、僕を睨む。

それに僕も応戦する。
「いやいや、助けた相手にそれはないだろう。」
彼女は眉間にシワを寄せて
「た、す、け、たぁ?あなたがいなくても、私、ケガ一つしなかったから!ちょっと、遅刻しそうだったから、マンションから一目ない時見計らったって飛び降りただけです!私体重ないし!あんたも受け止めたときわかったでしょ?」

と、強気だ。

僕はどんなに怖い思いをしてあなたを助けようとしたのか、について言おうと思ったが、そんなのカッコ悪いし、恩着せがましいのは嫌なので口を閉じる
その代わり
「お…おい、遅刻しそうだからって飛び降りたのは見た人だれだってびっくりするだろ??警察呼ばれてもおかしくないし…救急車とかさ死なないからってだからって落ちんな。」
と、諭す。
「だーーーーッ!!言ったでしょ?!一目ない時見計らったって!誰も驚いてないじゃん!めーわくかけてないじゃんか!」

僕は自分を無言で指差す

う、うぐぐ…と彼女は押し黙る。



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