変わらない世界
しばらく待っていると
先生は職員室から出てきた。
それを確認すると
私は先生を連れて人気の無い部室まで来た。


「田中さんが来てるってことは…」

先生は口を開いた。

「はい、合格しました!」

「それはよかった。おめでとう」

先生はそう言って私に祝福の言葉をくれた。

とうとうここまできてしまったんだ。

先生が「話はそれだけ?」
と言った。
先生だって次の授業がある。早く言わなきゃ…。

鼓動が早くなる。

震える手を固く握りしめると、意を決して私はその言葉を言う――。

それはずっと私の胸に秘めていた想い。





「きっと私は…先生が好きです」
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