変わらない世界
"後30分"

有希は柴田の言ったこの言葉がずっと脳裏に残っていた。

楽しいほど時間は早く進むーー。
人間誰しも経験したことがあるだろう。残りの時間を気にしてか、有希は柴田がメモ用紙に書き込む隙に教室の壁に繋かっている時計をチラリと見る。柴田が残り30分と言ってから、既に15分経っていた。


「先生、後このページも教えて下さい」



有希はテキストを手に取り柴田に広げて見せる。
それを柴田がちょっと見せてと言ってテキストを手に取った。
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