変わらない世界
そして柴田は窓を見て言った。

「遅くなったけど、送って行こうか?」

有希も椅子から立ち上がり、柴田と同じ方向を見る。辺りは既に暗くなっていた。グラウンドにさえ、部活に残っている生徒はいなかった。
きっと校舎に残っているのは自分達2人だけだろう。


「可愛い女の子が1人で夜道を帰るのは危ないから、お言葉に甘えさせていただきます」

有希は鞄を手にとり、ニッコリ微笑むとぺこりとお礼をした。
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