変わらない世界
有希はしばらくぼーっとしていると、保健の先生が何か思い出したように言った。


「そうそう!柴田先生がここまであなたを運んで来てくれたのよ」

保健の先生が言うには私のことを何度も呼んでいたらしい。
保健室まて運ぶときも、私を先生の背中におぶさってここまできてくれたんだとか…。


「柴田先生、すごく心配してたのよ」

柴田先生…
本当に優しい人だ。

「そうですか…後からお礼を言っておきます」

私はベッドから出て上履きを履いた。
その際に保健の先生から「もう少し休んでいったら?」と声をかけられたが、断ることにして保健室を出た。
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