変わらない世界
6限目の授業に向かっている途中だった。
階段を上がってまた廊下に出れば自分の教室が見えてくる。
1段1段階段を上がっていくと生徒達が廊下に出て騒ぐ声がした。
幸いまだ、授業が始まっていないみたいだった。
身体がフラフラとするものの、最後の一段を登り終える。
すると、上の階から階段を下ってくる足音が聞こえた。
「大丈夫か?」
下を向いて歩いていた有希に声がかけられた。声の主は有希よりはるかに背が高く、有希が自然と顔を上げるかたちになる。
「あ…先生」
声の主は柴田だった。
有希は昼休みに倒れたことを思い出した。
「私、倒れたんですよね保健室まで運んで下さってありがとうございました」
「ああ、そんなことよりちゃんと寝てるのか?」
いきなり予想外の問い掛けに有希は戸惑う。そう言われてみれば、勉強をしていて夜遅くまで起きていることが多い。
数学の―――…。
「最近は深夜2時くらいに寝てます」
その時、私の頭に先生の手の平が”ぽんっ”とのった。
階段を上がってまた廊下に出れば自分の教室が見えてくる。
1段1段階段を上がっていくと生徒達が廊下に出て騒ぐ声がした。
幸いまだ、授業が始まっていないみたいだった。
身体がフラフラとするものの、最後の一段を登り終える。
すると、上の階から階段を下ってくる足音が聞こえた。
「大丈夫か?」
下を向いて歩いていた有希に声がかけられた。声の主は有希よりはるかに背が高く、有希が自然と顔を上げるかたちになる。
「あ…先生」
声の主は柴田だった。
有希は昼休みに倒れたことを思い出した。
「私、倒れたんですよね保健室まで運んで下さってありがとうございました」
「ああ、そんなことよりちゃんと寝てるのか?」
いきなり予想外の問い掛けに有希は戸惑う。そう言われてみれば、勉強をしていて夜遅くまで起きていることが多い。
数学の―――…。
「最近は深夜2時くらいに寝てます」
その時、私の頭に先生の手の平が”ぽんっ”とのった。