彼氏と彼女。
"罰ゲーム"?


「…………そうだな」


否定をしない早河くん




――――…そっか



"罰ゲーム"だったんだ



呆然としたまま帰ろうとしたけど、手がドアにぶつかってしまった


「―――…瑞季?」


私が居たことに気づかれてしまい、思わず立ち止まる


「…もしかして、今の聞いてたのか?」


近づいてきた早河くんに訊かれて、私は作り笑いを浮かべる



「は、はい。ごめんなさい…」


「なんだ、ちょうど良かったじゃん。

言う手間が省けてさ」


早河くんの友達が笑いながらそう言ってきて

私も思わず笑いが漏れた


「…ご、ごめんなさい。
私馬鹿だから、すっかりその気になってました!

…早河くんみたいな人と付き合えるわけないのに」


自分で言ってて、凄く惨めになる


「――…みず」


「…気にしないでください!

私、全然気にしてませんから」



泣きそうになるのを必死で堪えながら、私は飛び出していた












―――…なんだ


最初から、私だけが好きだったんだ
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