彼氏と彼女。
「瑞季もバスケしない?」

読んでいたページを開いていれば、早河くんは頬杖をつきながら笑顔でそう言った


「え…、遠慮しときます…」


「何で?」


「…私、運動とか全く駄目なので」


「えー…」


「しょーたろー!!!

早く始めるぞ!!!」


唇を尖らせていた早河くんは、友達に呼ばれて歩いていった



…運動が出来ないのもだけど


あんな輝いている人達に混ざることなんて出来ない


私は今まで、地味に生きてきたから
あそこは入ったこともない世界なのだ


………ていうか、早河くんと付き合っている時点で、有り得ない世界に足を踏み込んでしまっているのだけど










「瑞季ー。一緒に帰ろー!」


放課後、図書館に居れば、笑顔の早河くんが入ってきた


「…は、はい」


私は慣れない状況に戸惑いつつも、本を閉じた
< 4 / 18 >

この作品をシェア

pagetop