彼氏と彼女。
いつもなら図書館で本を読んでいる時間帯

私は、廊下を歩いていた


もちろん、彼に会うために。


「…早河くん」


彼のクラスに着き、名前を呼べば一斉にその場にいた人達が振り返る


「瑞季!?」


めったに姿を現さない私が居ることに驚いたのか、彼は早足で近づいてきた


「………あ、あの。

今日…」


途中で言葉が止まる


緊張して声が出ない


「…瑞季?」


「―――…今日、



一緒に、お昼たべません…か?」



なんとか振り絞った声は、彼にも伝わったみたいで


「え…?まじで?」


彼に聞き返されてしまった


私は大きく頷く


「食べるよ!どこで食べる!?」


「…じゃ、じゃあ、中庭で…」


「分かった!お昼になったらそこに行くな!」


早河くんは嬉しそうに笑ってくれた
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