君色に染まる
二人のお気に入りのフレンチレストラン。
何も言わず飛び出して、走って家に帰った。
彼は追いかけてこなかった。
一瞬でも期待した私はなんなのだろう…。
手を離したのは、私なのに。
あっけなく終わった、私たちの関係。
名残惜しさしか残らないけれども、切ったのは私。
しかも、あんな風に傷つける言い方しかできなかった。
もっと訳を話せば良かった。
でも言えない。
彼にも言えることじゃない。
きっと彼なら、対処策を考えてくれるだろう。
そうじゃない。
彼のことは邪魔したくない。
誰よりも応援してるから。