徒花と蝶
どうしてこの流れでそんなことを言うのと思った。
私は彼女に嫉妬しているのだ。
疎ましくも、思った。
私がいなくなった途端に私の穴を埋めるかのように入って来た彼女を、快く思えるはずがなかった。
私が東京に行ってからできた彼女だと言うにしても、出来過ぎてるこの状況に、私は絶対に彼女の策略だと思った。
成人式の時だって、別に会おうと思ったら会えたはずだ。
なのにあの日は来なかった。
…家族だって、そんな話一切しなかった。
むしろ、私に対して至れり尽くせりだった状況を思い出す。
久しぶりに帰ってきた娘に対しての行動なのだろうと思って軽く流してはいたけれど。
これじゃまるで、どちらが娘で、どちらが客人か分からないじゃない。
そう思うと、一気に私の心は冷めた。
……何なの、私は家族じゃないの?