徒花と蝶





『変わったのは、誰のせいだと思っているの』

『祐輔が『東京に行け』って言わなかったら』




そんなことを言って。
行きたかったのは祐輔の方だ。

私は、…行けるから行っただけ。

なのに、うまく行ったら自分のおかげ、上手くいかなかったら他人のせい。


…いつまで私は、お子様なの?
上手くいかないに決まっているじゃない。

だって、自分が本当にしたいことじゃないんだもの。


…どこまで私は自分本位なの?
どこまで私は、自己中心的なの?

…私は、本当にどこまで馬鹿な人間なの?


そう思ったら、涙が出てきて。



「今日、昼に言われてようやく気付いたんだ。ごめん、花楓」

「何で祐輔が謝るの?…どう考えたって、私が悪いのに!」



私は、今まで人に愛されて生きてきたんだ。

周りの人に、支えられて。


自分のいいように解釈して、…被害妄想にふけって。

バカだ。
本当に、バカだ。



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