椅子〜やりすぎたイジメ〜
『ふぅ』

ひとしきり音色を切り裂くと、

愛はぺろりと指を舐めた。

音色の血が、べっとりとついていた指だ。

その光景に、背筋がぞっと寒くなる。

愛は再びハイヒールをカツカツと鳴らし

今度はこちらへ歩いてきた。


「いやっ、来ないでっ...!」

後ずさりをすると、手に鋭い痛みが走った。

「ッアッ...!?」
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