椅子〜やりすぎたイジメ〜
まるで、手の内部を棘だらけの蟲が暴れ回っているような気分だ。

「ぐっ、あっ...ひぃっ、ひぃっ...」

悲鳴を噛み殺し、手にぐっと力を込める。


キュッ


そんな音が鳴って、手は鉄棘から抜けた。

身体中がねっちょりしていて気持ち悪い。

脂汗が止まらない。

その様子が面白かったのか、

愛が高らかに笑った。
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