余命一年の少女に恋をする
俺は名門野球部のエースで、それなりに顔もよくてモテたりもする。
まあ、小学校、中学校、高校と上がっていっても野球漬けの毎日が変わることはなく恋なんてしてる暇さえあたえられなかった。

「日向、今日転校生くるらしいぜ」
友達の陸が嬉しそうに言う。
陸が喜ぶってことだから女の子か、と悟る。

「こんな時期に?」
もう三年。こんな別に偏差値だってそれほど高くはない私立の学校にわざわざ三年生で転入してくるやつなんているのか、と思った。

「さあね。」

陸が短く返す。
「それよりもさ、お前どうすんの?」
なんの脈略もなく聞く陸に首をかしげる。

「進路だよ!進路っ!!」

「あぁ、俺は・・・」

言いかけた時、始業のチャイムが鳴る。
陸は「うわっ、やば」といいながら走っていった。


「俺は、どうすっかな・・・」

舞い散る桜を見ながら、俺は小さく呟いた。

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