太陽の君と月の私

”私はもう帰ります”そう言葉を続けようとした時それは伸びてきた手によって遮られた  

「おそいっ」

その言葉と同時に何故か私の手をもったまま走りだす先輩
それも消して緩く走ってくれるとかそういうことはなく、ただ無言&超スピードで走っていく

「せんぱっぃ」

走りながらもまだ手を話してくれない先輩にもう私はどうしたらいいのか分からない
だって、男子と手を握って走るなんてこんなの初めてだから…

それにさっきから真顔で走っている先輩に比べて私はもう限界
そもそも先輩の速すぎるスピードに私がついていけるわけも無く今すぐにへたり込んでしまいたい
なのに繋がれた右手が邪魔をしてそれさえも許してくれない

こうなったらと最後の力を振り絞って必死に先輩に付いて行こうとするけれど
やっぱりそれは不可能で‥結局手を引っ張られてる状態のまま一周してしまった
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