太陽の君と月の私
その後気になった俺は女子の輪を抜け弁当を手に彼女が向かっていった非常階段の方へと足をすすめた
非常階段にはいると一人嬉しそうにお弁当を見つめながらちょこんと座っている彼女が目に入った
”かわいい”そんな何気ない姿でさえもなんだか心臓が高鳴る
思い切って声をかけたらびっくりしてタコさんウインナーを落としていて‥
それからすごく悲しそうな顔をしながら落ちていったタコさんウインナーを見つめる彼女がなんとも言えない‥
あのタコさんウインナー事件があったた日から俺達の距離は急激に縮まっていき今では放課後一緒にリレーの練習をするほどの仲までになっていた
でも…月のことを今恋愛感情として好きなのかと言われれば正直わからない
わからないということはそういう感情ではないんだろう
初めて見た時から可愛い!仲良くなりたい、そうは思っていたが好きとかそういうのではない
だからどこまでの距離感で接したらいいのかそれがわからない
そもそも俺は中学のあの時を境にもう二度とヒトを好きにならないと決めている
だからどんなけ気になった人がいたとしてもそれは好きとかそういう感情じゃないんだ
ただきになるだけ。
所詮その程度の話‥
そう、それでいい
それでいいんだ
「先輩!今日も練習しますよね!」
最近は毎日この非常階段で月とお昼を食べるようになった
別に一緒に食べようと約束しているわけではないが、二人共ごく当たり前のようにここに集まってお弁当を食べている
それが日課になっていることが少しほっこりする
「あぁ、あとちょっとだもんな本番」
その答えを聞いてか”はぁ”とため息をもらす月に笑いが漏れる
「ふふっそんなにいやか?リレー?」
「嫌ですよ!自身もないし、それに足引っ張っちゃったらっていう不安もあるんですから」
「そっか」