君×私×彼

「はい、なんですか?」

素っ気なく返事をしたけど、

まったく先生は動じない


「放課後、手伝ってほしいことあるんだけど、大丈夫?」


なんで私が…と、

喉まで出かけていた言葉を飲み込んだ


そういえば、学級委員になったんだったよね


すっかり忘れてた


副委員だから、仕事もないかと思ったら

委員長が部活で忙しいからって

けっこう、こっちに仕事が回ってくるし…


「はい、大丈夫ですよ」


特に予定も無かった私は

愛想笑いを含めて手短に返事をして

早々と別れた


なんと言っても

先生から一刻も早く離れたかった


さっきからまた、心臓が忙しく動いている


始業式の日以来、

あの現象は治まっていたのに


私の身体はまた熱を帯び始めた

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