君×私×彼

柳田先生から離れたくて

早く別れたのに

次の授業は古典だった


数分前に別れた先生と

すぐに再会を果たしてしまった


「この物語は、平安時代に書かれたもので…」


前から先生の声

柔らかい口調が古典の雰囲気にあっている


でも、その声は

私を通り抜けていくようだった


私の心に届かない


こっちが拒絶しているような感覚


さっきまで離れたくて仕方なかったから

そのせいもあるかもしれないけど、

今は距離的な問題じゃない


先生の存在から

逃れようとしているんだ



だから、わざと聞こえないように心を塞いだ



でも、どうして私そんなことを…?

< 21 / 54 >

この作品をシェア

pagetop