君×私×彼
柳田先生から離れたくて
早く別れたのに
次の授業は古典だった
数分前に別れた先生と
すぐに再会を果たしてしまった
「この物語は、平安時代に書かれたもので…」
前から先生の声
柔らかい口調が古典の雰囲気にあっている
でも、その声は
私を通り抜けていくようだった
私の心に届かない
こっちが拒絶しているような感覚
さっきまで離れたくて仕方なかったから
そのせいもあるかもしれないけど、
今は距離的な問題じゃない
先生の存在から
逃れようとしているんだ
だから、わざと聞こえないように心を塞いだ
でも、どうして私そんなことを…?