君×私×彼

半分、うわの空状態で授業を受け終わると

また俊が声をかけてきた


「やっぱり具合悪いんじゃないの?」


うーん…

私、そんなに挙動不審?


具合が悪そうに見えるのか

俊はとても心配していた


本当に大丈夫なんだけどな…


「そんなに具合悪そうに見える?」


「見える」


まさかの即答につい笑ってしまった


「即答だったね」


笑いながら答える

けど、俊はまだ心配そうに

私の顔を覗き込む


「あんま無理すんなよ…」


その距離の近さにドキッとし

優しい声に大事にされてると自覚させられる


「うん…」


きっと私の顔は赤くなっている

だけどそんなこと気にならないぐらい

幸せを感じていた



「俺だって、心配してる」



俊が体制を戻してからそう言った

小さい声だったけど、私には聞こえた


俺"だって"って言ったってことは

やっぱり昼休みのあの美紗希との会話が

俊にも聞こえてたってことだよね


その時から、心配してたんだね

ありがとう


愛しさが増していく

私、やっぱり俊が好きだ

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