君×私×彼
放課後になると

私は先生の手伝いをするため

職員室へ向かった


その途中、女子の会話が耳に入ってきた


「柳田先生、良くない?」

「気さくだし、その上かっこいいし」

「先生の中では一番だよね~」


まだこの学校に来てわずかだっていうのに

この人気は…


呆れ混じりの驚きはまだ続いた


「本当に好きになっちゃうよね」


…え?

それ本気で言ってるの?


「ていうか、もう皆好きでしょ」


皆って…

そんなわけないよ


だって私は好きじゃない


先生を見ると自分がおかしくなる

自分でも分からないこの衝動を

どうしていいか混乱している


私は彼女たちの会話を流し

足早に歩いた
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