君×私×彼
教室へ着くと
自分の机に持っていたものを置いた
教室にはもう誰もいなくなっていた
時計を見る
4時を少しすぎたほどだった
誰もいない教室は静寂を制し、
透明感があるように思えた
席につき、早速作業を始めた
たまには一人で作業するのも悪くないな
とか
帰りは何時ぐらいになるのかな
とか
考えながら手を動かした
それから、先生のこと
なんでだろうと考えれば考えるほど
分からなくなる
この気持ちの正体が知りたい
パチン
先生は私にとってただの担任
パチン
それ以上でもそれ以下でもない
パチン
私は何を求めているのだろう
パチン…
ホチキスが力無く音を立てる
まるで自分の心のような
不安を含んだ音だった
私は重くなっていく気持ちを
振り払うように首を振った
今はそんなことより
これやらないとね
止まっていた手をまた動かした