君×私×彼

体育祭の準備がどんどん本格的になり

忙しい日が何日も続いた


学級委員は集まりがほぼ毎日のようにあり

その忙しさに


やっぱり委員なんてやらなきゃ良かった


と思い始めた



「岡本さん委員の集まり行こー!」



そんな委員長の声に返事をして

教室を出た


教室から漏れる賑やかな声を聞きながら

委員長の少し後ろを歩く


集まりはいつも生徒会室

そこまで行くのには

3年生の教室の前を通らないといけず

変な緊張感のなか委員長の背中を追う


3年生は一段と盛り上がっているようで

開いたドアから女子の声がよく聞こえた


もう少しで生徒会室につくという

その時、自分の名前が呼ばれた

それと委員長も


振り向くと柳田先生がこっちへ向かって

歩いてくるところだった


「これから集まりか?」


「そうっすよ」


軽い口調で委員長が答える


「クラス代表だからな、頑張ってこいよ?クラスの方はまかせとけ!」


自信たっぷりに答える先生



本当に大丈夫かな…


と思っていると

どうやら委員長も同じことを考えてたらしく


「んー大丈夫かな~」


と少し笑いながら言っていた

先生をいじるのなんて

今始まったようなことでもない


そしてそれに言い返して

またそれに言い返して


私は笑いながらその様子を見ていた


言い合いは続いていく…


と思っていたらそれはすぐに終わった


集まりの時間が迫り

別のクラスの子が私達に声を掛けてきたから


私と委員長は急いで生徒会室へ向かおうとした時


先生は私の背中を押した


振り向くと笑顔の先生がいた



「頑張ってこいよ」



言葉は一緒

だけど言葉にあたたかい重みのようなものを感じた


ドキリとした


そしてすぐに視線をそらす



小さく返事をしてから委員長を追った

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