君×私×彼

教室に戻ると

一番に美紗希が声をかけてきた


少し話してから別れると

今度は俊がやって来た



「今日部活休みになったから一緒に帰る？」



帰りのお誘いだった


俊はサッカー部に入ってる


最近一緒に帰れてないからな～

帰りたいな


「うん、帰ろう！」


これで今日は帰り一緒だ！

うれしいなぁ～


「あ、でも放課後も準備あるか」


な！？

そうだった…

って良く考えたらそうだよね


最近は放課後も残って皆で準備している

昨日は応援団の衣装作りをしていて

今日もそれをすると言っていた



私が残念そうにしていると


「俺も準備参加するし、大丈夫」


と言ってくれた


「ていうか、そのつもりだったし」


そっぽを向いてそう付け足した


素直じゃないなぁ君は

でもそういうとこも好き


「ありがとう！」


これで一緒に帰れる！


良かったと安堵をつくと

精一杯の感謝を言った


本当はきっと

早く帰りたかったんじゃないかなと思う

部活が休みの日なんてそうないでしょ？



ただただ嬉しい



だけどなんだかむず痒い

心の底に埋ってる何かが動き出すような

知らない方が幸せなような


だから私は幸せに浸る