君×私×彼

「なんでっ…これ、私一人…なのっ」


私は切れ切れに言葉を繋げて

文句を言っていた



どうしてかって?



それは先生に道具運びを頼まれたから


タイヤ取りで使うタイヤと

赤いコーン

それから美術室の木の椅子

あと瓶詰めに使う空き瓶…



ってやっぱり多過ぎでしょ!!



役員だから仕方ないんだけど

あの生物の眼鏡の先生

ちょっと人使い荒いんだよなぁ



女子一人にこれやらせる?

男子とかいたでしょ?

ねぇ先生?



「もう!あと何往復すればいいの!」



最後の椅子をグラウンドに運ぶと

ちょうど男子の騎馬戦が始まったところだった



あれは、どこの軍団だろ…

緑と黄色?


青は次なのかな


確か、俊は騎手やるって言ってたような…

見たいんだけどなぁ

仕事しないとだし…



あれ、今から男子の騎馬戦ってことは

役員の男子皆あそこにいるんだ!



だから人手が女子しかいないんだ…



って女子他にもいたよね!?




応援席を見ると

皆、応援に夢中のようで

黄色い声援があちこちであがっていた


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