君×私×彼
治療中
体育祭が終わり
三日ぶりの学校は
あの日の熱気が嘘のように冷め
いつも通りに戻っていた
脚の捻挫も傷もほぼ完治して
今ではもう普通に歩けるようになった
ただ…
傷を隠すように靴下はハイソックスにした
自分の教室へ向かう途中
いつもの学校なのにある違うことに気づいた
それは女子の視線が
私に向いていること
体育祭の件でかなり目立ったからなぁ
先生のせいだよ、もう…
どこからか聞こえてきた女子の会話が
自分のものだと気づいた
「あの子でしょ?体育祭の時の」
「あぁ、柳田先生が運んでた子ね」
「お姫様抱っこなんて先生よくやったよね」
「羨ましい~」
羨ましい、か…
もしかして私、得した感じ…?
いやいやいや!
怪我したし全然良くないから
最初は脚の痛みなんて感じてなくて
転んだ時の衝撃の痛みしかなかった
でも、先生に言われてから
脚がズキズキと痛み出した
それから捻挫もしてたし…
どこも羨ましくなんてない!!
と、声を大にして言いたかったけど
出来るはずもなく…