サマー・タイム
『夏妃。』
ん?アキ。
名前を呼ばれ、一緒懸命手を伸ばすけど全然届かない。

♪♪〜
ケータイのアラーム音がなる。
「夢か。久々にアキの顔をみた。」

夏休み中だから、学校に行かなくて大丈夫だ。

今日は、図書館で勉強しようかな。
ゆっくりと身体を起こす。

トントントン…
ドアが開き、お母さんが顔をだす。
『夏妃、お母さん仕事行ってくるから戸締りお願いね』
「うん。わかってるよ。行ってらっしゃい」

朝ごはんを食べに下に降りる。
「ニュースしかあってないや」
ため息が出る。

カバンに勉強道具を詰めて準備する。

ドアを開けると、夏の日差しがまぶしい。
シャツが汗で張り付く。

いつもだったら、あっというまに着く道も、1人だと遠く感じてしまう。
制服で歩く学生たちや、近所の人とすれ違う。

図書館に到着した。
ヴィーン。自動ドアが開き、冷たい風が一気に吹きかかる。
「涼しい。」

図書館の匂いは独特だ。古い本の匂いがする。
勉強机があるところに移動する。
友達と一緒に出来る広めな机と、1人用がある。
広めな机は、アキと一緒にいた頃を思い出してしまうから、避けてしまう。

窓際が空いていた!
イヤホンで適当に音楽を聴きながら、教科書と問題集を広げる。
今日は、苦手な数学を主に、あとは飽きたら英単語を覚える。
簡単なところは、すらすらとペンがはしる。
分かんないところは…

ふう、1、2時間なんてあっというまだな~
お昼何食べよう。

近くのコンビニで買い出しする。暑いし麺類かな。
冷やしうどんと、お茶、お菓子類を持ってレジに並ぶ。

図書館のラウンジで食べようっと。
あと2時間くらいしたら帰るかな~
受験生はひたすら勉強だ。


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