サマー・タイム
帰り道を歩きながら、アキのことばっか考えてた。
まだ、1週間とちょっと過ぎただけで心の整理なんか出来ずにいる。

お葬式の日も、子どもみたいに泣きじゃくって、行きたくないって困らせて、きちんとお別れできなくて。

お別れすることで、もう会えないって認めるのが、ただ怖かった。
「ごめん。アキ…。」

考え事して歩いてたら、あっというまに家に着いた。
「ただいま~」
『お帰り~、遅かったね。』
「うーん、アキのお母さんにお店であって、お話ししたから、遅くなった」
『ふーん、そうなの。元気してた?』
「うん、相変わらず」
お母さんは適当に相づちを打ちながら、夕食をつくってる。
部屋着に着替え、準備を手伝う。
お父さんも帰ってきて食べ始める。

お風呂からあがって、ベランダに出て、最近撮った写真をみてた。
これ高体連の時の写真だ。
私の学校には写真部がなくて、趣味で撮ってるって言ったら、色んな部活からお願いされたんだっけ。
みんなキラキラしてて、カッコいいや。
こっちまで動きたくなる。
我ながらいい写真だと思う。
顔が笑う。

数枚めくると、アキの写真もあった…。
アキは、バスッケト部だった。
レギュラメンバーにも入ってたから、よく応援に来いって言われてたな~
懐かしい。
ずるいよ。何でも出来ちゃうんだから、勉強もスポーツも。
スーパーマンじゃん。

ふう、今週の土曜、本当にどうしようかな。
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