愛しい君へ
「はぁぁぁぁぁぁあー。」

「おい、でけぇ溜め息吐くなよ。」


斗真は机に肘をつき、手に顎をのせながら怪訝な顔をする


「…俺、もう生きていけない。」


「何?まだ北野さんにシカトされてんのかよ。」


斗真は毎回、俺の痛いところばかり突いてきやがる



…そう、


あの出来事から一週間


俺は愛とはいっさい話してない


…俺は愛に避けられている


いつものように廊下で会っても…



『あーい!』


『…。』


俺の横を無言で通過される


「あああっ!俺嫌われたのかな!?だって!おかしいよな!?いつもなら迷惑でも何かしら話してくれるのに…。」


俺は机に伏せながらボヤく

そんな俺を見ながら斗真が呟く


「それって…ヤキモチじゃねぇの?」


「…はあ?」


俺は顔をあげ、斗真を見る

…ヤキモチ?


そんなの愛がするわけねぇじゃん


「はぁ、そんなわけねぇじゃん。だって、俺と雛が抱き合ってても何も動じなかったんだぜ?」


俺はムスッとしながら窓の外を見る
< 10 / 21 >

この作品をシェア

pagetop