愛しい君へ
「愛居るか!?」


俺は勢いよく隣のクラス、愛のクラスのドアを開ける

「し、慎平くん?どうしたの?」


このクラスの女子数人が尋ねてきた


「愛知らねえ?」


俺が尋ねると、その中の1人が口を開く


「愛ちゃんならさっき職員室に行くって言ってたよ。」


俺はその言葉をきき、愛が職員室に行った理由を理解する


「…お人好しめ。」


「へ?」


目の前でキョトンとしている女子にお礼を言って、俺は急いで職員室に向かった



きっと愛のことだから

先生に頼まれた教材でも持って行ってるんだろうな…



俺はそんなことを思いながら棟が違う職員室を目指す







「…三谷…慎平…くん、だよね?」



俺は名前を呼ばれて振り返る


「…!」






"確か最近好きな奴ができたとかで"



"その相手をおとそうと頑張ってるらしいぞ"





その時、俺の頭にいつかの斗真の言葉が浮かんだ



"二年の南祐司"




あっ!


こいつ…!



愛のことが好きな
南祐司!!



「こんにちは。」
< 12 / 21 >

この作品をシェア

pagetop