愛しい君へ
「…どーも。南祐司…先輩。」


きっと、俺今


めちゃくちゃ不機嫌そうな顔してる


目の前にいるこいつ、

南祐司は笑顔で話してくる

「…へー、俺の名前知ってくれてるんだ?」


「学校一のモテ男の名前を覚えないわけないですよ。」


…まあ、ほんとは斗真から教えてもらったんだが


心の中で本音を言いながら俺はニコリと笑う


「それを言うなら先輩だって、俺の名前知ってるじゃないすか。」


「そりゃそうだよ。学年一のイケメン、って聞いてるからね。」



…うわぁ


嘘くせぇ…


「それは光栄です。」



思ってもないようなことを言える俺、すごいと思う


「…で、俺に何の用です?先輩。」


グズグズしてる暇はねぇんだよ


早くしねぇと次の授業始まって、会いに行けなくなるだろうが!



「俺に何か用があって俺を引き止めたんですよね?」


俺はイライラしながら、でも顔には出さずに南を急かす


「うん、その通りだよ。」

南は未だに笑顔で答えてくる
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