愛しい君へ
「この、お人好し。」
俺はヒョイと愛の手にある荷物を奪う
愛は目を丸くしながら顔をあげる
「…どーせ、また誰かに頼まれたんだろうが。」
「…別にあんたには関係ない。」
…うっ、
怯むな慎平!
今までにも愛からの冷たい言葉は受けてきたじゃねぇか!
俺は自分自身を励ましながら愛の前に立つ
…言うんだ、俺
ふられることを恐れるな!
いけっ!慎平!
「あ、愛。俺――…。」
「…っによ。」
目の前の愛が俯きながら呟く
「なによ!」
その瞬間、愛は勢いよく顔をあげ俺を睨みつける
…愛は泣いていたんだ
「あ、愛!?」
俺は驚いて愛に空いている片手を伸ばす
けど、その手は愛が逃げことによって空気を斬る
「あっ、おい!愛!」
愛は長い髪を揺らしながら逃げていく
「チッ、逃げ足が早い奴!」
俺は近くにいた一年に荷物を渡し、愛を追いかける
「ごめん!それ、預かってて!」
「待てこら!」
「追いかけて来ないで!!」
「だったら逃げんな!」
「嫌だ!!」
授業が始まったのか、周りには誰も居なくて俺たちの声だけが響く
…それにしても
逃げ足ほんと速いんだよ!
…けど、
男の俺をなめんなよ!
足には自身がある方な俺はペースをあげ、前を走る愛の腕を握る
「愛!どうしたんだよ!」
「何もないから!」
イラッ
「…何もないなら。」
俺は勢いよく愛の腕を引き、俺の方を向かせる
「何で泣いてるんだよ!」
こっちを向いた愛は俯き、ボロボロと泣き出す
「は、離してよ…。」
抵抗する愛の腕はがっちりと俺の片手が握っていて
諦めたのか、愛は抵抗を止めた
「は、離して。」
「嫌だ。」
俺はしっかりと愛を見つめながら答える
「愛がちゃんと話すまで、絶対に離さない。」
…離してやるかよ
お前が逃げるのは目に見えてるんだよ
「…みたい。」
俯いたまま愛が呟く
「ばかみたい。」
「…はっ?」
…今、こいつ馬鹿って言ったよな?
俺の真面目を馬鹿だ――…
「あたしばっかり好きで馬鹿みたいじゃない!」
「・・・・・・・・。」
…へ?
い、今なんと?
慌てる俺をよそに、愛は早口で話す
「…もう、嫌だ…。なんであたしに構うのよ。なんでこんなにあたしを乱すのよ…。」
「あ、愛…?」
「なんで、好きでもないのに優しくするのよ!」
俺はヒョイと愛の手にある荷物を奪う
愛は目を丸くしながら顔をあげる
「…どーせ、また誰かに頼まれたんだろうが。」
「…別にあんたには関係ない。」
…うっ、
怯むな慎平!
今までにも愛からの冷たい言葉は受けてきたじゃねぇか!
俺は自分自身を励ましながら愛の前に立つ
…言うんだ、俺
ふられることを恐れるな!
いけっ!慎平!
「あ、愛。俺――…。」
「…っによ。」
目の前の愛が俯きながら呟く
「なによ!」
その瞬間、愛は勢いよく顔をあげ俺を睨みつける
…愛は泣いていたんだ
「あ、愛!?」
俺は驚いて愛に空いている片手を伸ばす
けど、その手は愛が逃げことによって空気を斬る
「あっ、おい!愛!」
愛は長い髪を揺らしながら逃げていく
「チッ、逃げ足が早い奴!」
俺は近くにいた一年に荷物を渡し、愛を追いかける
「ごめん!それ、預かってて!」
「待てこら!」
「追いかけて来ないで!!」
「だったら逃げんな!」
「嫌だ!!」
授業が始まったのか、周りには誰も居なくて俺たちの声だけが響く
…それにしても
逃げ足ほんと速いんだよ!
…けど、
男の俺をなめんなよ!
足には自身がある方な俺はペースをあげ、前を走る愛の腕を握る
「愛!どうしたんだよ!」
「何もないから!」
イラッ
「…何もないなら。」
俺は勢いよく愛の腕を引き、俺の方を向かせる
「何で泣いてるんだよ!」
こっちを向いた愛は俯き、ボロボロと泣き出す
「は、離してよ…。」
抵抗する愛の腕はがっちりと俺の片手が握っていて
諦めたのか、愛は抵抗を止めた
「は、離して。」
「嫌だ。」
俺はしっかりと愛を見つめながら答える
「愛がちゃんと話すまで、絶対に離さない。」
…離してやるかよ
お前が逃げるのは目に見えてるんだよ
「…みたい。」
俯いたまま愛が呟く
「ばかみたい。」
「…はっ?」
…今、こいつ馬鹿って言ったよな?
俺の真面目を馬鹿だ――…
「あたしばっかり好きで馬鹿みたいじゃない!」
「・・・・・・・・。」
…へ?
い、今なんと?
慌てる俺をよそに、愛は早口で話す
「…もう、嫌だ…。なんであたしに構うのよ。なんでこんなにあたしを乱すのよ…。」
「あ、愛…?」
「なんで、好きでもないのに優しくするのよ!」