愛しい君へ
『あたしばっかり好きで馬鹿みたいじゃない!』



さっきの愛の言葉が頭に浮かぶ



「も、もしかして…愛の好きな人って…、俺?」


目の前の愛に尋ねると、愛は真っ赤な顔をして俯いた

「し、知らない。」


「えー……。」



俺はふと何かに気づき、目線を下に移す



「………っ!」



…反則だよ、愛




俺の目線の先には俺の制服の端を小さく握る愛の手があって




「ははっ、愛、俺と付き合ってくれる?」





不器用な彼女から俺への精一杯の愛情表現だったんだ
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