a・ri・ki・ta・riな雨の物語
あの涙について
 今朝は、憂鬱で、公平とのけんか別れの
昨日が、脳裏に浮かんだまま消えずにいた。
 だけど、朝は、普段通りに流れて。
 外は雨。
 傘にあたっては落ちる雨の音が胸にしみる
 CDの件は、公平が、佐野主任の机の下
に落ちてたと、ベタなうそをついて、一件落
着した。
 主任は、ばつの悪そうな顔をしながら、仕
事を始めた。
 そんな、主任を見ながら、私は、少し胸が
すっきりした。
 ルミちゃんと佐野主任の内情がわかった今
改めて2人を見てみると、すでに、2人の仲
は、最悪で、微妙に立場も逆転していた。
 ルミちゃんの態度は、更に大きく、二股を
かけた負い目なのか、主任は、ルミちゃんに
対して、何も言えないみたいだった。
 そして、私の周りときたら、なんと公平と
私の仲が密かに、噂になっていた。
< 106 / 206 >

この作品をシェア

pagetop