a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 ホントに泣きそうで、だからしゃべらずに
はいられなかった。
 「ばぁか。21世紀のご時世に、会いたか
ったら、七夕さまも、最新の乗り物に乗って
会ってるだろ」
 「えっ・・・あっ・・・」
 そうなの。そうだったの。
 目から鱗ってこのことだ。
 きっと空の上では、ハッピーエンドなんだ
 どうでもよかったことなのに、公平らしく
前向きな発想が、心にしみてきて、長かった
私の疑問に終止符を打ってくれた。
 パニックだった気持ちが、少しづつ正常を
取り戻していく。
 「森田の気持ちは、わかっていた。だから
今日、はっきり森田にオレの気持ち伝えたん
だ」
 あーっだから今日の屋上
 公平は、そう言いながら、地面にへばりつ
いていた私の手をとってくれて、ようやく立
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