a・ri・ki・ta・riな雨の物語
ち上がることが出来た。
 「なんで、意地っ張りで、可愛げのない奴
好きになったのかわからないよ」
 そう言って、そのまま私の手は、公平の方
に引き寄せられていった。
 「こうへ・・・」
 腰を抱かれたあと、そっと目を閉じた。
 公平との2回目のキスも雨が降っていた
 いつか、せつなさをこぼした雨は、1度目
のキスの時だった。
 もう1度腰が抜けそうになったのに、今度
は、しっかり公平が支えてくれていた。
 ふさがれた唇の奥で、この世の中で1番好
きな人は、公平だって呟いていた。
 もう、ずっと前から答えが出ていたのかも
しれない。
 だけど、また振られるのが怖くて、認める
ことが出来なかった。
 そうあの時の涙の訳も・・・
 公平に、ベッドに押し倒されて流した涙は
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