a・ri・ki・ta・riな雨の物語
公平の彼女
 「おめでとう」
 今朝、会社で香奈に会って、最初に言わ
れた言葉だった。
 「香奈、いろいろありがとう」
 こうなったのも香奈のおかげだから、感謝
しなければ
 「あんた達って、ホント似てるわよね。お
互い好きなのに、意地っ張りで鈍感で・・・
まともに言っても美和なんて聞く耳もたない
だろうから、自分で気づくまで、ハラハラし
たわよ」
 やれやれって感じで、香奈が言う
 香奈は、最初から私が気づこうとしなかっ
た私の気持ち、わかってたみたいだ。
 「えへへ、心配かけてごめんね。それより
香奈、町田くんとは、どうなってるの?」
 話題を香奈の方にふってみた。
 「ただの友達よ。どうにかなるわけないで
しょ」
 そう答えて、シャキシャキ私の前を、香奈

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