a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 公平の顔見れないまま、ぎこちない2人は
並んで椅子に腰を下ろした。
 一気に疲れが押し寄せてきて・・・
 すぐ左横にいる人は、さっきから何も言わ
ない。
 「公平・・・」
 不安になって名前を呼んだ。
 「やっぱり、美和の横が1番ほっとする」
 私の横で、公平がぼそっと呟く。
 「三島課長もそんなこと言ってたな」
 「三島課長と話したの?」
 「いい人だよな」
 そういうと、公平は、私にもたれて、子供
みたいに眠ってしまった。
 クレーム処理とか、森田さんの件で、昨日
も今日も、いっぱい疲れているのに、三島課
長にも、ちゃんと話してくれたんだ。
 人を好きになるっていろいろ大変で、傷つ
ける人もいて、心痛くて、だけど今は、左横
のぬくもりが嬉しい。
 
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