a・ri・ki・ta・riな雨の物語
めてのことだった。
 まずは、ホテルのラウンジにでも行って話
そうなんて思ったら、そんな流暢なこと言っ
てる場合じゃなかった。
 バシーッ!
 いきなりほっぺたをひっぱたかれた。
 えーっ?
 ホテルロビー正面で、こんなに派手にやっ
てくれっちゃって。
 さっきまで、人目避けるようにしてきたの
が、無駄になってしまった。
 ばらばらだった視線が、こっちに集中して
る。
 ひっぱたきたっかたのは、私の方だよ。
 「あんた、何やってんのよ。あの男と」
 「そっちこそ、公平と何してたのよ」
 正直言って、ほっぺた叩かれたことなんて
パパやママからだってないんだから。
 相当、動揺している。
 それと、同時に頭にもきてるし、三島課長
のこと言われると、何も言えないし、頭ぐち

 

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